概要

低出力局所性を持つ暗号プリミティブの研究は効率的なプロトコルの構成のために重要である.暗号プリミティブの例としてコミットメント方式がある.コミットメント方式は送信者と受信者の2者間で情報共有を行うプロトコルであり,受信者が復号を行うタイミングを送信者が決定できるプロトコルである.コミットメント方式は束縛性と秘匿性と呼ばれる安全性を満たしつつ,効率的に計算可能である必要がある.しかしながら,低出力局所性を持つコミットメント方式は構成されていない.本研究では,2つの低出力局所性を持つコミットメント方式を初めて構成した.第1のコミットメント方式は,出力局所性が入力ビット長より小さい(低出力局所性)という特徴を持つ.第2のコミットメント方式は,出力局所性が定数(定数出力局所性)であるという特徴を持つ.さらに,提案したそれぞれのコミットメント方式が束縛性,秘匿性を満たすことを証明する.

Top