概要

近年,新しい通信規格の登場や通信技術の向上により通信速度は向上しているが,暗号化通信に要求される暗号強度も増加しており,計算コストもそれに伴い増加している.ゆえに,高速な暗号化通信を行うためには暗号計算の高速化が重要である.暗号システムで利用される基本演算に逆元計算が存在するが,逆元計算は他の基本的な算術演算と比べて計算コストが非常に大きいため,より高速に逆元計算を行うための手法が数多く研究されている.BernsteinとYangはdivision stepsを利用したユークリッドアルゴリズムによる高速で定数時間の逆元計算手法 [1] を提案した.本研究では,この逆元計算手法を改良することで逆元計算による計算コストを削減する新たな手法を提案する.

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